【タイ】2024年活動報告|山岳民族の子供に学びを 学びの機会が命に直結する無国籍児 2025年4月23日 2024年8月9日から21日までタイ派遣員2名が入国し、里親制度の活動に従事しました。今回は、2018年のタイ隊OGはじめ3名のユースが同行しました。 今回の活動地域 里子の大学生たちと交流(8月チェンマイにて) タイ第2の都市チェンマイに住む5人の大学生、及びWFWPタイが支援している2人の大学生の計7人の里子が集まりました。 2018年に出会った時は中学2、3年だったエカポン君(上)は大学3年に、エカラット君(下)は大学4年になっていました! エカラット君は教育学部で社会科の先生を目指しています。 バンファイホム学校を訪問 無国籍児に「仮身分証」 この学校は、活動のパートナーであるチャンタナー先生が2023年10月から校長を務めています。小学生53名、幼稚園児13名の計66名が学んでおり、そのうち43名が寄宿舎生活をしています。幼稚園児のうち10名は、ミャンマーとタイの国境沿いに住む無国籍家庭の子供で、学校が調査した上で仮の身分証を渡します。身分証を持つ子供には健康指導があり、学校が医療費を負担する場合もあるそうです。 元里子が先生として赴任 新任のテダサック先生は、2014年から2016年までバンファイシン学校で里子として支援を受けていました。現在、平日は子供たちと寄宿舎で寝食を共にし、土日に実家に帰ります。子供たちを24時間世話する生活ですが、「自分はとっても幸せです」と言い切る姿に皆で感動しました。 バンパーヘウ村の里子の家庭訪問 朝から続いた豪雨が午後にようやく止み、里子の家を訪問するために出発しました。ぬかるんだ道や川の中を歩いて進みながら、バンパーヘウ村に到着しました。 Aunda Khaiseephobsookさんの家 Nattapong Pangkapana君の家 Duennapha Junyapremmaneeさんの家 Methasit Faipoldeeloes君の家 里子たち115名の「支援金授与式」 メーサリアン第2初等教育局の部屋を借りて「支援金授与式」を開催、この地域で里子支援を受ける中学1年から大学2年まで計115名が参加しました。この時の様子は、日本の里親に向けてYouTubeで生配信を行いました。こちらよりご覧いただけます:https://youtu.be/Tfy6lOh_ksY 支援金授与式の様子 里子ひとりひとりに里親の名前の入った賞状と里親 のメッセージ入りの里親カードを授与 授与式では、高校生が代表して歌を歌いました。この歌は、もともと田舎から出てきた苦学生が田舎の両親に向けて歌ったものです。里子たちは日本の里親に向けて、大変な環境の中でも頑張っています、と感謝を込めて歌いました。 里子の高校生たちが歌をプレゼント 日本語訳を付けて編集した生徒たちの歌https://www.youtube.com/watch?v=0Xcmusf2KRo 原曲(歌手タイド・ウォッチャリンの「叶えなければならない夢」)https://youtu.be/hAhz94cZzYw?si=XcTj0ir-Iqs2v_aF 日本のユースがクイズ大会を企画 バンサンパサック学校訪問(チェンマイ) 中学2年の里子3名、中学1年の新里子3名、そのほか高校生 『隔年報告書2019-20』の表紙を飾ったアーリーさん(現在23歳で大学4年生) に会いました 里子が通うバンコクのカレッジ訪問 ティティラットさん ティティラットさんは、ビジネス系のカレッジでメカニックやマーケティング、広告などを勉強しています。授業は土日で、平日は仕事です。高校を卒業後、2024年4月にバンコクに来て以来、一度も帰省していません。私たちに会うと、まるで親戚にでも会えたかのように喜んでくれました。 「平日は自動車販売の営業をしています。若いと信用されないので仕事は大変ですが、先日初めて車が1台売れました」 無国籍児の里子支援もー さらなるご支援を [table id=9 /] チャンタナー先生が校長先生に就任され、里子支援の意義を新たにしました。つまり学校は、教育を与え貧困を解消するだけでなく、無国籍児に対しては寄宿舎で衣食住を与え「仮身分証」を発行し、医療費も負担して、「安全を保障」する役割を果たしているのです。 無国籍だと合法的に入国・在留できないばかりか、教育・医療など基本的人権の侵害を受け、人身売買などの犯罪にも遭いやすくなります。そのため無国籍児の里子支援は、命そのものに直結する深刻な問題なのです。 今後、皆様のさらなるご支援を心よりお願いいたします。 タイの子供たちのため、これからもWFWPは支援を継続してまいります。今後とも皆様のご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。