【バングラデシュ】活動報告|「ジャイギール小学校」の運営支援 最大の成果は村から次代を担う人材が育ったこと

1994年、首都ダッカの路上でゴミを漁(あさ)る子供たちの姿に衝撃を受け、これが私たちの活動の原点となりました。約30年にわたる支援で確信したことは、「教育こそが貧困の連鎖を断ち切る」、最も根源的な投資だということです。

30年の軌跡―ジャイギール小学校が村の中心に

バングラデシュは、政治的対立や、ヒマラヤの雪解け水による洪水、経済の従属という3重苦を背負っています。識字率も低く、「母親が処方箋を読めないために子供が命を落とす」という現実に直面し、識字教室を設立しました。

さらに学校建設への気運も高まりました。当初は学校と呼べないような竹造りの小屋でしたが、「教育」に半信半疑だった村人も難関大学に合格する出身者が現れると、学校に信頼を寄せるようになりました。

以下は、1994年から約30年にわたる歩みと、次世代へ託すバトンの記録です。

「竹小屋」から始まった学校支援

➢設立当時

当初は竹造りの校舎
授業風景:ムシロの上に座って授業を受ける子供たち

➢1995年:WFWP日本より机と椅子を寄付

教科書などの教育物資も届き、少しずつ環境が整う

➢1997年:WFWP日本から若者をボランティア派遣、レンガ造りの校舎

WFWP日本の会員の子女たちが派遣され、レンガ造りの改築を手伝う

➢2021~22年:WFWPインターナショナルによる支援

教室の間仕切りが竹製のパーテションからレンガの壁に。騒がしかった隣室の声が聞こえなくなり授業が快適になりました。屋根や廊下の床も修繕、翌年にはトイレもきれいに修復されました。

竹製のパーテションからレンガとコンクリートの壁へ
翌年に修復されたトイレ

➢2026年:WFWP日本より机と椅子を寄付

2026年1月にWFWP日本の支援金で机とベンチ式の椅子のセットを12組購入することができました。

WFWPバングラデシュが学校運営を承継

2004年にはWFWP日本からWFWPバングラデシュへ学校運営が承継される。校舎が整備され、大学教授による指導法の改善を図ることで、今では地域でトップクラスの成績を収めるまでに成長しました。

現在―村の85%の子供たちが通う学校に発展

現在、村の約85%の子供たちがジャイギール小学校に通っています。政情不安やテロ、パンデミックなどにより派遣員が入国できなかったときでも、閉鎖されることなく30年以上も続いてきました。このことは、この活動が地域にしっかりと根付いていることを意味します。

➢授業の様子

➢全校集会

全校集会では、年次試験の結果が公表されます。2025年は96%の児童が進級できました。

全校集会で整列する生徒たち

➢学校を支える先生方

右端が校長先生

総括:最大の成果は人材の輩出、次々と人が育つ

最大の成果は、学校建造でも教育物資支援でもなく、次代を担う「人」が育ったことです。 バングラデシュの最難関大学、ダッカ大学に村から初めて合格したモシャロフさんは、村人にとって希望の光です。テロの危機にあっても学校を守り、運営の要として活躍しています。彼に続く卒業生が次々と誕生していることこそ、私たちの活動の誇りです。

卒業生紹介 モシャロフ・ホサインさん

モシャロフさんは、ジャイギール小学校の卒業生として初めてダッカ大学を卒業した優秀な人材です。

現在は母校の近くに暮らし、会社員として働きながら、地域の子供たちや学校運営を支える活動に積極的に関わっています。

また、WFWPの派遣員とも継続的に連絡を取り合い、学校の様子や近況を丁寧に伝えてくださるなど、多方面で大きな力となっています。母校と地域の未来のために尽力する、頼もしい卒業生の一人です。

継続的な支援をー子供たちの未来のために

現在は、小学校を公立化することで持続可能な教育体制の構築を目指しています。国際協力の現場は厳しい課題が山積していますが、一歩踏み出す勇気は自分自身と世界の未来を変える力となります。私たちが30年かけて育てたこの活動のバトンを、次世代に託したいと思います。

どうかジャイギール村の子供たちが今後も学び続けられるよう、皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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