エイズ予防教育
Education for prevention of AIDS
全世界のHIV感染者数は約3,800万人です。2019年には170万人がHIVに新規感染し、エイズ関連の原因で69万人が亡くなりました。現在エイズ孤児は全世界に1,220万人いるとされています。(参照:http://aidsinfo.unaids.org/)
エイズの脅威は世界中に蔓延しています。エイズの予防は正しい知識とモラルをもつことから始まります。WFWP(世界平和女性連合)では、エイズの蔓延を食い止めるため、草の根で予防教育と人格教育を推進しています。
WFWP JAPANが開発したエイズ予防教育教材「エイズ時代に生きる」

先進国で唯一HIV感染率が上昇している日本では、性行為による感染が原因の90%を占め、2000年代前半から青年たちの間で爆発的に広がっていました。この状況を憂慮し、エイズ予防教育活動を強化するため、2006年に「エイズ時代に生きる」というパワーポイント教材を開発しました。
この教材は2部構成になっており、第1部ではエイズの基礎知識を紹介し、第2部ではHIV・エイズを予防するために性行為に責任をもつことの大切さを紹介しています。このメッセージは、母親の目線に立って若者の良心に訴える内容です。若者のプレゼンの反応もよく、良識のある教師や父母からも賛同を得ています。
エイズ予防教育活動を行っている海外派遣員は、派遣国の言語に翻訳して教材を持っていき、保健関係者や有識者と検討して日本の教育内容をベースに派遣国の情報を入れて、現地にあった内容のパワーポイント教材を作成します。自ら講義を行うだけでなく、現地の講師も養成しています。

活動実績・報告
プロジェクト期間:1995年—現在

UNAIDS の 2018 年のデータによると、ケニアでは140 万人の 15 歳以上の大人が HIV に感染しており、男性よりも女性がHIVに多く感染しています。ケニアはアフリカの中で HIV 感染率の高い国の一つであることから、WFWPでは1995年よりエイズ予防教育を実施してきました。ハンドウ中学・高校の生徒や教職員、PTAに医学的知識、予防法、生活の仕方を指導するとともに、人格教育を行っています。

プロジェクト期間:2001年—現在

モーリタニアの青少年に HIV 感染者が増えたことか ら 2001 年より実施しています。WFWP独自の教材「エイズ時代に生きる」を使用し、教育しています。一度エイズ予防教育を受けた人がその内容に感動し、次の人を紹介してくれるというように、人伝いに教育が広がっています。

プロジェクト期間:2013年—現在

ベリーズでは、13 歳の 80%がすでに性交渉を行っ ているという統計があることから、2013年より、首都ベリーズ・シティの小学生・中学生を対象にエイズ予防教育を行っています。小学生には「私の体は大切(My body is precious)」という絵本を使って「良いタッチ」と「悪いタッチ」を具体的な例をあげながら、将来の夢をかなえるためには自分の身体 を大切に守らなくてはいけないということを教えています。中学生にはアルコールやドラッグが脳に与える影響やSNSなどの危険性、さらに10代の妊娠がもたらす問題など、 映像を使って講義しています。
