国際協力シンポジウムを開催しました
2021年12月12日、WFWP日本支部・和歌山第3連合会は、3名のパネリストをお呼びして、国際協力シンポジウムを開催しました。民生委員をはじめとする、参加者38名が和歌山県民文化会館に集いました。
第1部講演:小野田真弓氏
第1部は、熊野古道の世界遺産登録に尽力された小野田真弓氏よりご講演いただきました。小野田氏は、熊野古道を世界遺産に登録することは「平和文化を創造する活動」に繋がると考え、25年に渡り活動してこられました。千年以上前から先人が決死の覚悟で歩き、受け継がれてきた熊野古道は、身分や階級を問わず多くの人々を受け入れてきた寛容さがあるといいます。その精神を後世に伝えていくためにも、熊野古道一帯の自然環境を保護し、平和の精神を伝えていきたいと語りました。活動の成果として熊野古道は2004年7月1日、世界文化遺産に登録されました。
第2部講演:原奈央氏
続いてのパネリストは、JICA国際協力推進員の原奈央氏です。原 氏は青年海外協力隊として、サモアで小学校教育に携わり、時間にとらわれないサモアならではの授業や子供たちの様子などを話しました。また、日本と同じように、子供が教師や親と良い信頼関係を構築していくことが重要であると感じたとのことです。若い時の海外経験が自分の人生を豊かにすることを多くの若者に伝え、国際協力に関心を持ってもらいたいと今後の抱負を語りました。
第3部活動報告:加藤和子氏
最後はWFWPヨルダン派遣員である加藤和子氏より、ヨルダンでのボランティア活動の報告がありました。加藤氏は1994年から7年間、ヨルダンで女性の自立や青少年のためのプロジェクトを展開し、帰国後も継続して支援活動を行っています。紛争などで夫を亡くした女性たちのために、美容や洋裁など、手に職をつけて自立できるよう技術を指導し、自分の店を持てるように小口融資にも取り組んでいます。2015年からは、難民キャンプ内の子どもたちのために、演劇を通した情操教育の支援も開始しました。また、貧困のため家族を支えるために重労働や低賃金の仕事に駆り出され、学校で学ぶことができない子供たちを救うために、学習支援も行っています。
現在ヨルダンでは、新型コロナウイルスで学校の休校が長く続き、また国の経済の疲弊も心配される中ですが、継続した支援活動を行っていくとスピーチしました。
参加者の感想
熊野古道についてまだ世界遺産に登録されていない場所があることを知り、市としても責任を感じました。後世に残していくことも考え、予算を考えていきたいと思います。
毎年国際協力シンポジウムに参加していますが、毎回刺激を受けています。今回もそれぞれのパネリストの方々の発表とコーディネーターの総括のお蔭で、自分の中に落とし込むことができました。(50代女性 市会議員)
海外に行ったこともなく、興味もあまり持っていませんでしたが、私と年齢の変わらない子供たちの様子を知り、WFWPで活動している自分の母親も含め、皆さんが頑張っている理由が分かりました。WFWPの行事に関心を持ち、幅広く学ぶ意欲をもつ大学生になり、自分なりに何かできるかを考えていきたいです。(高校生)
ヨルダンの支援活動をしている加藤さんへ、一番の苦労について質問がありました。加藤さんの「苦労はしていない」という答えに驚き、すごいと思いました。私ならこんな苦労もあんな苦労も・・・と沢山言ってしまうのに、加藤さんはもっとできたのではないかと反省され、常にできることを考え続けてこられたとのこと、その心情が素晴らしいと思いました。それ故、ヨルダンでの活動が実を結んできたのだと分かりました。私は平凡な主婦で子育て中ですが、これからの支援をぜひ応援したいと思います。(30歳女性)